column コラム
屋上庭園って?
屋上庭園とはどんな設備?
屋上庭園は、住宅の屋上に作られた庭のことです。
防水工事を施して土を入れ、芝生や観葉植物などを植える本格的な庭園と、人工芝やウッドデッキを用いた簡易的な庭園とがあり、予算や住宅の構造、利用目的などによって使い分けられます。
屋上庭園のある家なら、土地に余裕が無い場合でも屋外で過ごすスペースや、家庭菜園で植物や野菜を育てるスペースを作ることができ、より快適な暮らしづくりに役立つでしょう。
ただし増設リフォームで屋上庭園を計画するためには十分な調査が必要です。必ず専門家を交えてのプランニングをお勧めします。
屋上庭園のメリットとは?
屋上のある家にリフォームすると、庭として使えるスペースが増えるのが一番のメリットですが、他にもさまざまなメリットを得ることができます。
ひとつめは、屋上部分に芝生を植えることによる室温上昇の抑制です。
屋上や天井部分に当たる日光によって、夏場などは室内の温度が上がりやすくなってしまいますが、屋上に芝生があると、屋根の温度が上がりにくくなり、室温の上昇も抑えることができます。
もうひとつのメリットは、屋上だからこそのメリットです。
一般的な庭の場合、外部から庭への侵入や、庭に置いている設備の盗難などの不安があります。
屋上庭園なら、外部からの侵入はまず不可能ですし、侵入が難しいので、設備の盗難なども防ぐことができるでしょう。
屋上庭園のデメリットは?
屋上庭園は、屋上に土や植物を入れたり、ルーフトップを取り付けたりするため、どうしても建物にかかる重量が増加してしまいます。
そのため、構造によっては建物の補強工事が必要となり、ルーフバルコニーを設置する場合や、ウッドデッキを設置する場合に比べて、費用が割高になりやすいのがデメリットです。
また、屋上庭園は土を使うことが多いため、継続的に水分が屋根に乗った状態となります。
そのため、雨漏り対策や防水工事を十分に行い、水はけの良い設計がされていない場合、建物に雨水が浸入し、あっという間に建物を傷めてしまうでしょう。
屋上庭園は庭として利用できるスペースを増やすことができる良い設備ですが、費用面などにリスクがあります。
このような問題点をあらかじめ十分に把握し、予防できる施工会社に工事を依頼するようにしましょう。
屋上庭園には土などを利用せず、人工芝などを利用したものもありますが、こちらにも少し問題点があります。
屋上を緑化することで室温の上昇を防ぐことができるのですが、人工芝は温度の上昇を抑える力が少ないのです。
屋上庭園で室内の温度上昇を抑制したいとお考えの方は、天然芝を使った本格的な庭園を造りましょう。
木造住宅でも屋上庭園を造ることはできる?
屋上庭園や屋上スペースがある一戸建て住宅は、鉄筋コンクリート製のものが多いのですが、木造住宅を屋上のある家にすることはできるのでしょうか?
まず、屋上庭園を造る場合の条件について見てみましょう。
屋上庭園を造るためには、まず屋根が陸屋根である必要があります。
木造住宅の場合、過去の法令ではある程度屋根に勾配を付け、排水が円滑に行える状態にする必要があったため、陸屋根にすることができず、屋上庭園を作ることができませんでした。
平成20年にこの法律が改正され、屋上の勾配を緩くすることができるようになったため、現在では重量と防水に十分注意すれば、木造住宅でも屋上庭園を作ることができます。
ただ、木造家屋の問題点として、雨漏りの被害は鉄筋コンクリート構造の家屋に比べて大きくなりがちというものがありますし、耐荷重についても鉄筋コンクリートに比べて弱くなりがちです。
木造家屋に屋上庭園を設置する際には、補強工事や防水工事にはより注意を払う必要があります。
屋上庭園ではどのような防水がおすすめ?
一般的な建物の場合、屋上部分は塗装による防水や、FRP樹脂を塗布するFRP防水などが施されますが、地震のリスクや土などの重さがあるため、十分な防水性能が得られないことがあります。
そこでおすすめなのが、金属プレートを用いた金属防水という方法です。
この工法は、屋上に防水合板を敷き、その上に結露防止マットを敷設、最後に金属板を並べていき、雨の侵入を防ぐジョイントで接続します。
ジョイントで金属板同士を接続して防水することから、揺れても割れが起きにくく、大きな地震でも防水性能が落ちにくいのがメリットです。
また、表面は金属板で補強されているため、重量物を設置しても防水層が傷みにくいのもメリットとなります。
金属防水は屋上緑化工事などでは広く用いられている工法ですので、屋上庭園の雨漏りが気になるという方は屋上緑化も手掛けているリフォーム会社や施工業者に問い合わせてみると良いでしょう。