column コラム
混合水栓のレバーは上げて水を出す?下げて水を出す?
お台所や洗面台などについているレバーを上げ下げして水を出すタイプの蛇口の名前を「シングルレバー混合水栓」といいますが、ご自宅についているそのレバー、上げて水を出すタイプですか?下げて水を出すタイプでしょうか?
え?そんなこと考えてもみなかったよ。という方がほとんどでしょうか。
実際に、キッチンの入替えリフォームなどで、今までレバーを下げて水を出していたのが、レバーを上げて出すようになって初めてあれ??気づく方もいるそうです。
ちなみに、レバーを下げて水を出すタイプを「下げ吐水」、上げて水を出すタイプを「上げ吐水」といいます。
実は、2000年4月から混合水栓の規格が、レバーを上げて水を出すタイプの「上げ吐水」に統一されているので、それ以降に取付けられている水栓は「上げ吐水」ということになりますね。
なぜ「上げ吐水」に規格統一されたのか?
JIS規格の改正を行うにあたり、国際的な標準である「上げ吐水」に合わせたことと、地震などの災害時に二次被害を防ぐためといわれています。
地震での二次被害?と思いますよね。
レバーを下げて出すタイプのものですと、地震の揺れで上から物が落ちてきたりしてレバーが下がってしまうと水が出てしまうのです。水が出たことに気づいてすぐに止めることができればいいのですが、留守中などは水が出ていることに気づかず、床が水浸し・・・マンションなどでは下の階への水漏れや貯水槽内の水が無くなってしまったり、消防用の水も不足してしまい、消火活動への影響も出てきてしまうからなんですね。
地震以外にも、ペットがレバーに乗ってしまって水が出しっぱなしになってしまったりして、夜中でも留守中でもお構いなく水が出続けてしまうのです。
これは恐ろしい。
規格改正からもう20年以上たった今、「下げ吐水」の混合水栓はほとんど見ることが無くなりましたが、今だお使いのお家もあるかと思います。今は「下げ吐水」を修理するにも部品がなく、修理できない場合がほとんどですので、「上げ吐水」に付け替えということになってしまうのですが。
今は「上げ吐水」でもレバーが水栓の下側や横側についているものがあり、水栓の形状もまっすぐなもの、くねっと曲がったものなどいろいろなデザインがありますし、レバーだけではなく、センサー付きで汚れた手でレバーを触らず水が出せるセンサー式水栓などもありますので、昔よりも水栓の選択肢が広がっていますね。
もちろん、水栓だけの付け替えですと、洗面台やキッチンの形状により、お好きな水栓が選べないこともあると思いますが、思い切ってキッチン丸ごと入れ替えてしまおうか!という際には色々とご検討されるのも楽しいですね。