column コラム
長期優良住宅って?-1
皆さまは「長期優良住宅」の認定制度をご存じですか?
これから、約3回にわたって「長期優良住宅」(国土交通省認定)の制度についてごご案内いたします。
長期優良住宅に認定されると様々なメリットや多少のデメリットがあるのですが、それらをこれからご説明いたしますので、皆さまはそれらを考慮して今後の住宅づくりのご参考としてみてはいかがでしょうか?
長期優良住宅の認定条件(戸建て住宅の場合)
耐震性
極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること。
次の1~3いずれかの措置を講じること
-
耐震等級2以上とする
チェック項目:性能表示壁量、壁の配置、床倍率、接合部、横架材、基礎 - 大規模地震時の地上部分の各階の安全限界変形の高さに対する割合をそれぞれ1/40以下とする(層間変形角を確認)
- 免震建築物とする
省エネルギー性
必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。
省エネ法に規定する省エネルギー基準(次世代省エネルギー基準)に適合すること。
=省エネルギー対策等級4
イ)性能規定(Q値、μ値、結露対策)
ロ)仕様規定(U値)
維持管理・更新の容易性
構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
- 構造躯体等に影響を与えることなく、配管の維持管理を行うことができること
- 更新時の工事が軽減される措置が講じられていること
劣化対策
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。
劣化対策等級3相当に加えて、
- 床下及び小屋裏の点検口を設置
- 床下空間に330mm以上の有効高さを確保
住戸面積
良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
75m2以上(2人世帯の一般型誘導居住面積水準)
※少なくともひとつの階の床面積が40m2以上
※地域の実情に応じて引上げ、引下げを可能とする。ただし、55m2を下限とする。
居住環境
良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。
所管行政庁が審査 ※所管行政庁毎に基準が異なる
維持保全管理
建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。
- 維持保全計画に記載すべき項目については、
- 構造耐力上主要な部分
- 水の浸入を防止する部分
- 給水・排水の設備
- 少なくとも10年ごとに点検を実施すること。
- 地震時及び台風時に臨時点検を実施すること。
バリアフリー性
将来のバリアフリー改修に対応できるよう共用廊下等に必要なスペースが確保されていること。
戸建て住宅への適用なし
可変性
居住者のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること。
戸建て住宅への適用なし
住宅履歴情報の整備
長期優良住宅に認定された住宅はその建築及び維持保全の状況に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
※電子データ等による作成・保存も可
- 長期優良住宅認定申請書および添付図書
- 意匠関係図書(平面図、立面図、矩形図 等)
- 構造関係図書(各種伏図、壁量計算書、N値計算書、接合金物リスト 等)
- 仕様関係図書・設備関係図書・設備機器関係図書
以上、いかがでしたか?
次回は長期優良住宅のメリット・デメリットについてご案内いたします。