column コラム
阪神淡路大震災以後、木造住宅の変わったところ
震災時、死者の出た木造住宅の4割は築50年以上
1981年の新耐震基準以降に建てられた住宅での死者は2%未満でした。
震災以後、住宅建設は益々災害を意識するようになり変化していきました。
私の記憶している限り分かり易い変化は
◆ホールダウン金物をあたり前に使うようになった
◆地盤調査をするようになった(ベタ基礎)が主流になった
◆木造の場合ですが柱の外壁側に面材(合板)を貼る様になった
の3つです。
1.ホールダウン金物
ホールダウン金物とは地震の揺れが起こった際に、柱が土台から抜けない様にする金物です。
震災時、ホールダウン金物を取付しているか否かで柱のほぞ抜けが起こり倒壊に至るケースが多くみられました。
この様な事例から震災後、現在に至るまでホールダウン金物は勿論引き抜きの力に対する金物による補強は当たり前になりました。
2.地盤調査をするようになった
以前は住宅業界はクレーム産業とも言われていた事があったと思いますの問題、当時その原因の7割は地盤が原因でした。
かといって積極的に地盤調査を行っていた会社も少なかった様に記憶しております。
震災以後は、地盤に対しての意識は勿論高くなり地盤調査や地盤調査の結果に基づいた補強を施すのが当たり前になっています。
震災後15年ほどと、この10年位では地盤判定については若干判定が緩くなった様な気がしますが
建設会社に対して20年間の保証もありますので、以前よりは地盤についても安心して頂けるようになったと思われます。
3.外壁面材
震災以前の殆どの木造住宅の構造は 柱、梁、筋交いで成り立っていました。
ところが震災で建物が揺れた時に筋交いが外れてしまうと柱の点で支えているだけになりますので
揺れに対して、全く抗う事ができません。
そこで震災以後増えたのが柱の外側に(外壁材の下地に)合板を貼る施工方法です。
柱の点で支えるだけでなく面で支えることで格段に強度が増します。
3点以外にも最近の新築住宅では地震に対して工夫されています。(制震ダンパーや免振装置など)
築年の古い住宅に関しては少々不安があります。
現在でも新耐震基準を満たしていない耐震性が不十分な住宅はかなりの数残っています。
日本をはじめ世界中で地震被害が起こり、東南海地震や関東での地震が懸念される中
地震に対しての対策をご検討される時期かもしれません。
弊社でも耐震診断を承っておりますので、ご心配のある方はお気軽にご相談いただけましたら幸いでございます。